ドローンには、「目視外飛行」と「夜間飛行」という通常とは異なる飛行方法があります。
ドローンを飛ばす上では必ず知っておく必要がありますので、今回はこの2つがどんなもので、どんな規制があるのか、をご紹介したいと思います。
これらは十分な理解がないと事故や罰則につながる場合がありますので知識をしっかりと備えておきましょう。
まず「目視外飛行」です。
目視外飛行は航空法で「申請が必要な方法」として規制されています。
例えば空撮でカメラの映りを確認するためにモニターを注視する、点検対象物の立地の関係で建物の陰に入ってしまう、広いアングルを撮ろうと長距離飛行になりカメラの向きやドローンの位置がわかりづらくなるといった場合は、機体から目を逸らす・自身の視界から見えなくなりますので目視外飛行となります。
さらに目視外飛行は「追加飛行形態」と呼ばれ、国交省へ申請を行う際には事前の訓練が必要になります。
資格を取得する際はスクールで専用の訓練を行いライセンスカードにしっかり追記されますので許可が取りやすくなりますが、無資格の場合は飛行時間の証明が難しいため許可取得の難易度が異なってきます。
他にも飛行するために条件がついており、該当する機体装備の写真を添付したうえで申請が必要になります。
以下が代表的なもので、他にも詳細に設定されています。
・操縦者は専用の訓練を修了した者に限られ、監視者もドローンの性能を熟知している者に限定されます。
・機体には純正のカメラが搭載されており、カメラにより外の様子を撮影し監視者が常に飛行状況を報告する体勢を整える
他にもまとまった期間や場所で許可を得る包括申請に含められない条件もありますので、詳しくは国交省HPやスクールに問い合わせてみましょう。
さらに目視外飛行は技術的にも難しく、普段通りの感覚で操縦しようとすると接触や予定外の距離に達してしまう可能性があります。
手元のモニターに注視すると、進行方向は分かりやすくなりますが距離感が掴みづらくなり撮影対象物に近づきすぎてしまいます。
実飛行距離と体感飛行距離には誤差が生じ、他にも左右後方が全く見えなくなるためアシスタントの補助が不可欠となります。
他にも広いアングルや人の足で入れない場所では長距離や高高度が必要となります。
これらで飛行させる際はドローンの形がわからなくなり、ただの黒い点に見えてきます。
カメラを真下に向けたとしても風の影響で予定地点よりずれていることもあり得ますので
アシスタントの指示を聞き漏らすことなくいつも以上に慎重な操作を心がけましょう。
次に「夜間飛行」の紹介です。
夜間飛行も追加飛行形態として航空法で規制されており、専用の訓練と国交省への申請が必要となります。
用途としては夜景の空撮や夜間の点検、作業が日没後まで伸びてしまう際に必要となります。
目視外飛行に時間の条件はありませんでしたが、夜間飛行は「日没後〜日の出まで」に設定されています。
これは季節により変化し、特に夏は日没後も明るく見えるため制限時間を超過し違反となってしまうか可能性もあるため、日没時刻を正確に把握しましょう。
夜間飛行も同じく飛行に際し条件がついており、項目によっては申請時に写真の添付が必要になります。代表的なものは以下の通りです。
・夜間において目視外飛行は禁止
・飛行高度と同じ距離の半径範囲内に第三者侵入禁止
・離着陸地点を照明で正確に把握できるように設定
・飛行させる際には機体の向きや位置を把握する灯火を装備する
他にも目視外飛行より多い項目で条件がついていますので同じく国交省HP等で確認しましょう。
他の飛行形態と同様、夜間飛行も技術的に難易度が高く、特に空間把握が難しくなります。
現行の機体の見た目は小型で薄く、色も黒やグレーなど暗めの単色が多いため夜間では距離感や位置を掴みづらくなります。
さらに夜間の目視外飛行は原則禁止となっているため、自身でどのくらい回転させたのか、目的地はどこなのか正確な把握とアシスタントの設置が必須です。
加えて現行機体はGPS等のセンサーが優秀なため屋外であれば夜間でも正確な位置把握や帰還が可能です。
しかし障害物によりGPSを受信しづらかったり、GPSがオフになってしまう屋内かつ暗所になるとセンサー類も同時に不安定になるため正確な停止や移動が困難になりますので極力暗所での飛行は避けましょう。